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月別アーカイブ: 2025年8月

山建工業のよもやま話~第14回~

皆さんこんにちは!

 

岐阜県岐阜市を中心に東海3県にてとび工事・プレキャスト工法を含む橋梁工事一式を行っている

株式会社山建工業、更新担当の富山です。

 

 

 

橋梁工事における測量・地質調査

〜橋を支える“見えない基盤”をつくる〜

1. 測量・地質調査の位置づけ

 

橋梁工事において、測量と地質調査は施工の「基礎の基礎」といえる工程です。

橋を建設する場所の正確な情報を把握しなければ、いかに立派な設計を描いても安全な橋にはなりません。

まさに、見えない部分の徹底調査が橋の強度と耐久性を決定づけるのです。

2. 測量の内容

 

測量は「地上の正確な位置関係を把握する」ために行います。

  • 基準点測量:橋梁全体の座標系を確立

  • 地形測量:周囲の地形や高低差を正確に記録

  • 河川測量:水深や流速、河床の形状を確認

  • 出来形測量:施工中や完成後に形状が設計通りかを確認

 

最近ではドローン測量や3Dレーザースキャナの導入により、短時間で高精度なデータ取得が可能となっています。

3. 地質調査の方法

 

地質調査は「地面の下を探る」工程です。

地盤がどの程度の支持力を持ち、どんな性質を有しているかを調べます。

  • ボーリング調査:地面に穴を掘り、地層を採取して分析

  • 標準貫入試験(SPT):地盤の硬さを数値化

  • 物理探査:地震波を利用して地下構造を推定

  • 地下水調査:地下水位や流れを確認

 

これらの調査結果を総合し、橋脚をどのような基礎にするかを決めます。

4. 調査結果の活用

 

測量や地質調査で得られたデータは、設計に直結します。

  • 橋脚の位置や高さの決定

  • 基礎形式(杭・ケーソン・直接基礎)の選定

  • 洪水や地震時の安定性評価

  • 工事中の安全計画

 

特に日本のような地震国では、耐震性を確保するために綿密な調査が欠かせません。

5. 最新技術の導入

 

近年はICT技術の活用が進んでいます。

  • ドローンによる空撮データとGISの統合

  • AIを用いた地盤データ解析

  • IoTセンサーによる地盤挙動のリアルタイム監視

 

これにより、従来よりも短期間で、かつ信頼性の高い調査が可能になっています。

6. 測量・地質調査のまとめ

 

橋梁工事の測量・地質調査は、地上と地下の「見えない情報」を数値として明らかにする工程です。

ここでの精度が橋の安全性を決め、将来の補修・維持管理にも大きく影響します。

まさに橋の“縁の下の力持ち”といえる工程です。


まとめ

 

  • 計画段階では、交通需要・地形条件・環境影響などを総合的に評価し、最適な橋の形式を決定する。

  • 測量・地質調査では、地上と地下のデータを正確に取得し、設計や基礎工事の安全性を担保する。

 

橋梁工事は目に見える構造物だけでなく、こうした「準備の段階」こそが最も重要なのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

株式会社山建工業では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

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山建工業のよもやま話~第13回~

皆さんこんにちは!

 

岐阜県岐阜市を中心に東海3県にてとび工事・プレキャスト工法を含む橋梁工事一式を行っている

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橋梁工事の計画段階

〜最適な橋をつくるための第一歩〜

1. 計画段階の重要性

 

橋梁工事は、いきなり施工に入れるわけではありません。

まず「どのような橋を、どこに、どんな規模で建設するのか」を定める計画段階が必要です。

この計画こそが、その後の設計・施工の基盤となり、将来の維持管理や安全性にも直結します。

つまり、橋梁工事の成否を決める最初の鍵が、この段階にあるのです。

2. 交通需要の調査

 

橋を建設する理由の大半は「交通の円滑化」にあります。

したがって、まず地域の交通量を調査することから始まります。

  • 日々の自動車交通量

  • 大型車や特殊車両の通行頻度

  • 歩行者や自転車の利用状況

  • 将来の人口増加や産業発展による需要予測

 

これらを数値化し、橋の規模や車線数を検討します。

例えば、物流の大動脈となる幹線道路の橋であれば、大型トラックに対応できる十分な幅員と強度が必要です。

3. 地形・地盤条件の確認

 

橋は河川や谷など、自然条件を克服するために建設されます。

そのため、地形や地盤条件を詳しく調査することが不可欠です。

河川であれば洪水時の水位や流速、谷であれば崩落の危険性を考慮します。

さらに、地盤の強度や支持力によって、橋脚の基礎形式(杭基礎やケーソン基礎)が決まります。

4. 橋梁形式の選定

 

計画段階では、どの形式の橋を採用するかを決定します。

  • 桁橋:短〜中距離で経済的

  • アーチ橋:景観性に優れ、大スパンにも対応

  • 斜張橋:デザイン性と機能性の両立

  • 吊橋:超長大スパンに適応

 

立地条件やコスト、維持管理の容易さも含め、最適な形式を選定します。

5. 環境・地域への影響評価

 

橋を建設することで自然環境や住民生活に影響が及ぶことがあります。

そのため、計画段階で環境影響評価(アセスメント)が行われます。

  • 騒音や振動への配慮

  • 生態系や水質への影響軽減

  • 周辺交通への影響予測

 

地域住民への説明会を開き、理解を得るプロセスも重要です。

6. 計画段階のまとめ

 

橋梁工事の計画段階は、「構想」から「現実」へと橋を架ける第一歩です。

ここでの判断一つ一つが、将来の安全性や維持管理コストに直結します。

言い換えれば、橋の寿命はすでに計画段階で大きく決まっているのです。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

 

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